代表ブログ
2025.07.23
“買ってもらう理由づくり”より、“買ってくれない理由潰し”
こんにちは。宮崎です。
マーケティングに関わっていると、よくこのような問いにぶつかります。
「どうすれば、もっと売れるようになるのか?」
その問いに対して、多くの人が考えるのは「買ってもらう理由をどうつくるか?」というアプローチです。
たしかに、世の中のマーケティング論や書籍の多くは、そうした「価値の訴求」「差別化ポイントの明確化」「ベネフィット設計」の重要性を説いていますし、間違っているとは思いません。
ただ、私自身の実感としては――
「買ってくれない理由を潰す」というアプローチの方が、手応えがある。
そして、ほとんどの人にとっても、こちらの方が再現性が高いのではないでしょうか?
「嫌いな理由」はあっても「好きな理由」はない?
人間は意外と、自分が「なぜ好きなのか」を明確に説明できません。
たとえば、「このブランドがなんとなく良い」「なんか惹かれる」という感覚はあっても、それをロジカルに語れる人はごく少数です。
一方で、「なぜ買わなかったのか?」「なぜ選ばなかったのか?」は、多くの人がハッキリ言語化できます。
高かったから
情報が少なかったから
デザインが好みじゃなかったから
なんとなく怪しく感じたから
この「ネガティブな理由」は、自覚的に持たれている分だけ可視化しやすいんですよね。
「買ってくれない理由」には、こんなにもバリエーションがある
実際に商品やサービスが売れないとき、そこには様々な“引っかかり”が潜んでいます。
価格への納得感がない
比較対象が多すぎる or 少なすぎる
購入までのステップが面倒
デザイン・UIが直感的でない
情報が足りない(使い方、サイズ感、素材感など)
レビューが少ない/信頼できない
そもそも今、必要に感じていない
「売れない理由」というのは、必ずしも商品の本質にあるとは限りません。
むしろ、「どう見えるか」「どう感じるか」「どの文脈で出会うか」の方が圧倒的に影響力が強かったりします。
「買ってもらう理由づくり」は、美化しやすく、空回りしやすい
「買ってもらう理由をつくる」という言葉は、聞こえはいいんですが、実際には空振りになりやすい。
なぜなら、“誰に刺さるか分からない魅力”を一方的に叫ぶことになりがちだからです。
プロダクトの想いを語りすぎて、伝わらない
情緒的すぎて、機能面での安心が抜ける
「オシャレに見せる」ことが目的化して、本質がぼやける
もちろん、「買ってもらう理由」も重要ではあります。
ただ、まだプロダクトが市場に浸透していない段階で“魅力づくり”に集中しすぎると、独りよがりになりやすい。
それよりもまずは、買わない理由をひとつずつ潰していく方が、着実に売れるものになります。
「売れない理由を潰す」は、最も地味で最も効くマーケティング
商品を売るというのは、「好きになってもらうこと」ではなく、
「嫌いにならないこと」「不安を取り除くこと」「誤解を生まないこと」の積み重ねです。
とくに、まだ認知も信頼もないスモールビジネスにおいては、
「なぜ買ってもらえないのか?」を徹底的に潰していく方が、本質的かつ早道だと僕は思います。
「買ってもらう理由」を探す前に、「買ってくれない理由」と向き合ってみる。
それだけで、マーケティングはぐっと手応えのあるものになるはずです。