“買ってもらう理由づくり”より、“買ってくれない理由潰し”

こんにちは。宮崎です。

マーケティングに関わっていると、よくこのような問いにぶつかります。

「どうすれば、もっと売れるようになるのか?」

その問いに対して、多くの人が考えるのは「買ってもらう理由をどうつくるか?」というアプローチです。

たしかに、世の中のマーケティング論や書籍の多くは、そうした「価値の訴求」「差別化ポイントの明確化」「ベネフィット設計」の重要性を説いていますし、間違っているとは思いません。

ただ、私自身の実感としては―― **「買ってくれない理由を潰す」**というアプローチの方が、手応えがある。

そして、ほとんどの人にとっても、こちらの方が再現性が高いのではないでしょうか?

「嫌いな理由」はあっても「好きな理由」はない?

人間は意外と、自分が「なぜ好きなのか」を明確に説明できません。

たとえば、「このブランドがなんとなく良い」「なんか惹かれる」という感覚はあっても、それをロジカルに語れる人はごく少数です。

一方で、「なぜ買わなかったのか?」「なぜ選ばなかったのか?」は、多くの人がハッキリ言語化できます。

  • 高かったから

  • 情報が少なかったから

  • デザインが好みじゃなかったから

  • なんとなく怪しく感じたから

この「ネガティブな理由」は、自覚的に持たれている分だけ可視化しやすいんですよね。

「買ってくれない理由」には、こんなにもバリエーションがある

実際に商品やサービスが売れないとき、そこには様々な“引っかかり”が潜んでいます。

  • 価格への納得感がない

  • 比較対象が多すぎる or 少なすぎる

  • 購入までのステップが面倒

  • デザイン・UIが直感的でない

  • 情報が足りない(使い方、サイズ感、素材感など)

  • レビューが少ない/信頼できない

  • そもそも今、必要に感じていない

「売れない理由」というのは、必ずしも商品の本質にあるとは限りません。 むしろ、「どう見えるか」「どう感じるか」「どの文脈で出会うか」の方が圧倒的に影響力が強かったりします。

「買ってもらう理由づくり」は、美化しやすく、空回りしやすい

「買ってもらう理由をつくる」という言葉は、聞こえはいいんですが、実際には空振りになりやすい。

なぜなら、“誰に刺さるか分からない魅力”を一方的に叫ぶことになりがちだからです。

  • プロダクトの想いを語りすぎて、伝わらない

  • 情緒的すぎて、機能面での安心が抜ける

  • 「オシャレに見せる」ことが目的化して、本質がぼやける

もちろん、「買ってもらう理由」も重要ではあります。 ただ、まだプロダクトが市場に浸透していない段階で“魅力づくり”に集中しすぎると、独りよがりになりやすい。

それよりもまずは、買わない理由をひとつずつ潰していく方が、着実に売れるものになります。

「売れない理由を潰す」は、最も地味で最も効くマーケティング

商品を売るというのは、「好きになってもらうこと」ではなく、 「嫌いにならないこと」「不安を取り除くこと」「誤解を生まないこと」の積み重ねです。

とくに、まだ認知も信頼もないスモールビジネスにおいては、 「なぜ買ってもらえないのか?」を徹底的に潰していく方が、本質的かつ早道だと僕は思います。

「買ってもらう理由」を探す前に、「買ってくれない理由」と向き合ってみる。 それだけで、マーケティングはぐっと手応えのあるものになるはずです。

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